トリガーポイント・MPSとは?
トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは 『痛覚過敏部位』 のことです。
トリガーポイントは、長時間の姿勢保持や仕事、スポーツなど筋肉の反復運動
を繰り返すことで、それらの刺激が筋肉内の血液の循環を悪くし、筋肉に疲労が
起こり、筋肉が硬くなることでトリガーポイントが形成されます。
トリガーポイントの特徴として 『関連痛』 というのがあります。 例えば 「後頭
部付近を鍼や指で刺激したとき、頭に響きを感じる」、「腕の前腕部を鍼や指で刺
激したときに、手首に響きを感じる」と、刺激した所とは別の場所に痛みを感じる現象が関連痛になります。
この状態では自覚する痛み・しびれのような症状はありません。しかし、反復の
刺激が繰り返されることで、 過敏化した侵害受容器『トリガーポイント』に変化
することにより、さまざまな痛み・しびれの症状を引き起こします。
※トリガーポイントは筋肉だけではなく 『腱・靭帯・骨膜』 にもできます。
MPS(筋膜性疼痛症候群)とは?
いわゆる「筋のコリ」による症状をきたす、世界中で一般的な病気です。
筋膜は英語でMyoFascia(マイオ・ファシア)と言い、Fascia(ファシア)の一部です。
通常、我々が急激に重い物を持ったり、無理な姿勢等により繰り返し筋に負荷をかけたりすると、筋に過剰な負荷がかかります。
筋への過剰な負荷は、いわゆる「筋肉痛」として生じ、数日程度で回復をします。
しかし、負荷が繰り返したり、寒冷にさらされたり、血行の悪い状態が続いたりすると、筋が短期間では回復できなくなります。
この状態が筋膜性疼痛症候群(MPS)になった状態です。
筋膜性疼痛症候群(MPS)では一般的な筋肉痛とは異なり、痛みやしびれの強さが相当激しいものになり、更に痛みやしびれの範囲が広範囲に発生する傾向にあります。
参考:日本整形内科学研究会(JNOS)
Fasciaとトリガーポイントの関係は?
トリガーポイントは、過敏化した侵害受容器という生理学的観点の名称であり、形態表現の1つとして筋硬結があるに過ぎません。
臨床でも、トリガーポイントは筋膜上のみならず腱・靭帯・脂肪・皮膚などの結合組織に広く存在し、筋膜以外も治療対象となることは広く知られています。
そのため『トリガーポイント=筋硬結』という理解は正確ではありません。
一方、Fasciaは解剖学的観点の名称です。トリガーポイントは、侵害受容器など痛みのセンサーが高密度に分布しているFasciaに優位に存在している可能性が示唆されています。
参考:日本整形内科学研究会(JNOS)
異常なFasciaの症状
慢性痛、肩こり、腰痛、坐骨神経痛、四十肩・五十肩、膝痛
臀部痛、背部痛、頭痛、頚部・腰部ヘルニア、脊柱管狭窄症
寝違い、ギックリ腰、めまい、耳鳴り、しびれ、腱鞘炎
野球肘、野球肩、テニス肘、ゴルフ肘、グロインペイン症候群
各種スポーツ障害、筋膜性疼痛症候群
頚性神経筋症候群(CNMS)、むち打ち症、慢性疲労性症候群 など